2015年5月9日土曜日

ノバルティスのバイオシミラー販売差し止め

(後発医薬品会社サンド)


米連邦巡回控訴裁判所は、スイスの製薬会社ノバルティスの後発薬部門サンドが開発した好中球減少症のバイオ後発医薬品(バイオシミラー)「ザクシオ(Zarxio)」の販売差し止め判決を下しました。この「ザクシオ」は3月に米食品医薬品局(FDA)の承認を受けた米国初のバイオシミラーでした。



同薬はがん患者の感染防止に用いられる医薬品です。アムジェン(ティッカー:AMGN)は、先発薬である「ニューポジェン」を販売していて、FDAの承認後、連邦地裁に販売仮差し止めを求めた裁判を起こしていましたが、却下されていました。

各バイオ医薬品会社は先発薬と同一薬ではないバイオシミラーを警戒していて、高い薬価で利益を得ていたものが20〜30%安いバイオシミラーにシェアを奪われないかといわれています。安全性に関しては、先発薬同様に臨床試験を要求されていることや、高い同一性を求められます。低分子薬とは違い、高分子薬は構造が複雑で製造工程が異なると全く同じものは出来ないそうなんですね。

(バイオシミラーの品質確保:サンド社HPより引用)

今回の判決で、6月に口頭弁論が予定されています。恐らくは販売開始されるものと思いますが、こうした裁判は今後も起こり得ることかなと思います。

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